【大人が楽しむおぞましい絵本作家】エドワード・ゴーリーの世界

こんにちは、トロピコです。
あなたは、エドワード・ゴーリーを知っていますか?
私は3年前、ブックカフェで何気なく手に取った絵本に魅了され
それからすっかり、エドワード・ゴーリーのファンになりました。

繊細な線を重ねて描かれているイラストが、とても魅力的で
ストーリーは「こんなの絵本にしちゃって大丈夫?」と焦るくらいに残酷で。
26人の子どもたちがアルファベット順に次々と死んでゆく作品や
子どもを誘拐しては殺してゆく、発売当時は非難返品の嵐だったという作品など
淡々と、とにかく淡々と描かれ進んでゆくストーリーが怖いです。
お化けだとかのそういう怖さではなく、深読みすればするほど薄気味悪い。
中でも、何がいちばん怖いのかなぁと考えると・・・
「この本にこんなに惹かれている私は大丈夫なんだろうか」という怖さ。
ゴーリーは、読み手をどこまでも不安にさせる天才だと思います。
絵本以外の作品やゴーリー自身については全く知らなかったので、最近この本を購入。
エドワード・ゴーリーの世界/濱中利信
1/3ほど、カラーページを使ってゴーリーの数々の作品を紹介しています。
それらを眺めているだけでも満たされるような、もっと知りたいような気持ちに。
残り2/3は、著名な方々によるゴーリー解説になっていて、とても詳しくなれる。
皆さんやはり、色々な解釈をせずにはいられない様子が伝わってきます。
そうそう、作家と猫はなぜか相性が良いらしいのですが
「ゴーリーが描く人間は無表情なのに、猫はちょっと笑っている」
と解説されていて、確かに!だから猫だけほのぼのしているんだ!と実感したり。
高校生のとき、英語の授業でこの本を使っていたら、副詞に興味もてたかも!とか。
「エドワード・ゴーリーの世界」でゴーリーのことに詳しくなるにつれ
不安な気持ちが和らぎ、より一層ゴーリーの魅力にとりつかれています。
ミステリー好きなひとは、ゴーリー作品と相性良いと思いますので
絵本なんて・・・と思わずにぜひ一度、ゴーリー作品を味わって欲しいです。

