【書店員さんの発信力に感謝】くますけと一緒に/幸せな家族

こんにちは、トロピコです。
読んでも読んでもどんどん新しい本がでてくる上に
過去の作品が再び話題になったりして、読みたい本が尽きません。
最近わたしが読んだ本は30年以上も前の作品!
なぜ今、これらの本を手に取ることになったのでしょう?
一冊目は、装丁に惹かれた本。
くますけと一緒に/新井素子
かわいらしいタイトルなのに「ホラー小説」と紹介されていて、思わず手に取りました。
この本は1991年に単行本が刊行され、その後文庫化されたものの近年は入手困難。
2024年に、とある書店員さんの推薦で復刊が決まり、新装版として出版されたそう。
書店員さんの愛読書であったがために、時を経てまた書店に並ぶことになったんですね。
内容は、ホラーというのか、ファンタジーというのか・・・
どぎつい恐怖を期待して読むと肩透かしをくらうと思います。
心温まる本だな、と思ったり、いやいやそっちが怖い怖い、と思ったり。
おそらく、人によってとらえ方がかなり変わる、面白い本です。
「家族」に関してのいろいろな感情が凝縮されており、これは読んで良かったです。

あとがきも必見!新井素子さんのぬいぐるみ愛に驚かされます。
二冊目のこちらも、家族つながりで。
幸せな家族 そしてその頃はやった唄/鈴木悦夫
もうね、幸せな家族って言っちゃっている時点で、不穏なんですよね。
この本はなんと1989年初版。一度、絶版になっています。
最近話題になったのは、書店員さんの手書きパネルが反響を呼んだから、だそうです。
話題になれば書店にも並ぶし、そうとなれば実際に手書きパネルを見ていない私の目にも触れることになり・・・読みました。
店頭の手書きパネルって、どれもこれも本当に一生懸命に描かれていますので
その中で反響を呼んで話題になったとは、すごい影響力です。

私がその書店員さんだったら、確実に、一生自慢し続けます。
内容は、「児童文学である」ということを念頭において読むと、ゾッとしますね。
アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」のように
作中に出てくる歌詞の通りに事件が続くのですが・・・
最初から歌詞が全て明かされているわけではないので、展開が予想しにくい。
犯人はわりと早くから見当がつくのですが、終着点が予想しにくい。
で、終着後・・・私は「幸せな主人公だったな」と思いました。
主人公目線で思えば、タイトル回収、本当に幸せな家族だったのかもしれません。
大人になってからドはまりする本ではないかもしれませんが、
お子さんをミステリー好きに育てたい方は、ぜひ読ませてあげてください。
私が子どもの頃に読んでいたらきっと、何度も読み返しただろうと思います。

読後にぜひ、表紙を確認してくださいね。うわぁ・・・となります。
今回は、書店員さんたちの熱意で、時を経て脚光を浴びている2冊をご紹介しました。
書店員さんたちの本に対する情熱には、ただただ感服するばかりです。

